武術創造 DIY・AI研究所
武術創造 DIY・AI研究所 BUJUTSU-CREATION-DIY-AI LAB

第17話

戦略的ビルメン転身:自由時間と「4種の神器」を求めて

工場の派遣で資金を蓄えながら、私は次なるステージを見定めていました。 当時、私は投資(相場)の面白さに味を占めていました。毎年利益が出るようになり、「これを主軸にできる環境を作ろう」と考えたんです。

そこで白羽の矢を立てたのが、ビル管理(ビルメン)の世界でした。 24時間勤務、そのうち仮眠が6時間。1回出勤すれば2日働いたことになり、週の半分以上を自由に使える。肉体労働の現場から見れば、膝への負担も少なく、相場を張る時間も確保できる。まさに私の理想の環境でした。

「資格さえあれば、この業界は鉄板だ。半年間の職業訓練で、必要な武器をすべて揃えてやる」

ネットで調べると、ビルメンの「4種の神器」という言葉が出てきました。 第2種電気工事士、危険物乙4類、ボイラー2級、冷凍機械責任者3種。 学生時代から試験勉強には自信がありました。「半年あれば全部取れる」と確信し、私は再び職業訓練校の門を叩きました。

このタイミングが、我ながら絶妙だったんです。 世間がリーマンショックに揺れ、「派遣切り」がニュースを賑わす直前でした。もし動き出すのが少しでも遅れていたら、訓練校の倍率は跳ね上がり、入ることすら難しかったでしょう。

運がいいのか悪いのかは分かりません。でも、そのまま工場に居続けても、私は無職になっていたはずです。 嵐が来る直前に、私は新しい技術と資格という「盾」を手に入れるための潜り込みに成功しました。

不況を嘆くのではなく、不況を利用する。 社会のレールから外れた私にとって、国家資格は唯一の「裏切らない通行証」でした。 この時揃えた「4種の神器」が、後に多くの資格取得に繋がっていきます。

さて、無事に資格を手に入れ、ビル管理の世界へ飛び込んだ私。 そこには、これまでの現場とはまた違う、奇妙で奥深い「ビルの裏側」の日常が待っていました。